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君を好きにならない
第1章 へぇ〜 平塚真琴さんって 真琴くんだったんだ〜

し、仕方ねぇ


とにかく
真琴が満腹になるのを
待つしかねぇな


俺は
こっそりと
パソコンの脇から
食べるのに夢中な真琴を見つめた


ヒゲとか
ほとんど生えてなさそーな
つるっとした肌に
ちょっと伸びてきた髪

そのボサッとした感じが
やたらとエロく感じるのは
俺だけだろうか

やや甘い雰囲気ながら
さっぱりとした顔立ちは
たまらなく
ストライクゾーンだ


「向井さんっ!」


「なっ、な、なんだ」


「ご馳走さまでしたっ!」


と、空になった丼ぶりを
俺に見せながら
真琴はにっこりと笑った


なっ


な、な、なに〜〜!!


おまっ

お前は
八重歯まで装備してたのかっ!!


「向井…さん?」


「あ、い、いや
おう、まぁいい、うん」



右側にだけ
八重歯を隠してやがったのか…


今まで緊張してたのか
真琴は
一度も笑ってなかったから
気付かなかったんだ



「あの…向井さん」


「ん?」


「それ、どうでしょうか…」


真琴は
皿を流しに片すと
こたつまで戻ってきて
俺の真横に座り
パソコンを覗き込んだ


近い


近い近い近いっ


そんなに接近して
顔を近づけるんじゃない!


落ち着け真琴


俺は
まだ
お前とはヤレねーんだから
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