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君を好きにならない
第8章 真実
ビールを飲み干し
ジンを口にした頃
真琴は
少し照れながら
風呂から戻ってきた
真琴が
なんて言っていいか
わからなそうな顔をしてるから
冷蔵庫から
ビールを取り出して見せると
まだ
仕事の終わってない真琴が
珍しく
そのビールを手にして
俺の前に座った
「いただきます…」
「おぉ」
「なんか…」
「ん?」
「すみませんでした。
変なことさせて」
「いいんだ、俺は」
お前が好きなんだし
「恥ずかしいです、ほんと
なんて言っていいか…」
真琴は照れながら
ビールを飲むと
前髪で目元を隠すように
うつむいた
「お前は大丈夫だったのかよ。
俺なんかに色々されて」
「…う、うん。
なんでだろ…」
「小説書けそうか?」
「うん」
真琴は
首を縦に振りながら
そう答えて
また
少し
照れて笑った
「向井さん…
慣れてるんですか?」
「何が」
「その…
さっきみたいなこと」
まぁな。
言わねーけど
「なんでそう思うんだよ」
「…気持ち…よかったから」
そんなセリフを聞くと
せっかく収まったものが
また熱くなりそうで
ヤバい
「久しぶりか?」
「…え?」
「こんなことされたの
久しぶりなのか?」
「…久し…ぶり?」
「いや、まぁ…
なかなかの
照れようだったしな」
「久しぶりって言うか…
僕はその…
リョウにも
させてないし
見せてもないから」
させて…ない?
じゃあ
ほられただけなのか?
いや、まず
見せないで
できんのかよ
「そういえば
上手くできなくて
フラれたって…」
「うん…
どっちも
初めてだったから
僕も恥ずかしくて
隠してたし(苦笑)
向こうも
触ろうなんて
しなかったし」
そんなこと
あるのかよ
男同士で
「相手は触りたかったのに
お前が
恥ずかしがっただけ
なんじゃねーのか?」
「そうかな…
リョウコも
積極的な方じゃなかったから…」
リョウ…コ?