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君を好きにならない
第1章 へぇ〜 平塚真琴さんって 真琴くんだったんだ〜
一瞬にして
気まずくなった俺は
せっかく触れた
真琴の髪から手を離して
腰を下ろし
気を紛らわすために
ガムを口に放り込んだ
「ま、まぁ
そんなことは珍しくねーから
気にすんな
ある程度なら
なんとかしてやるから」
ほんとは
珍しい話だけどな
それから
ゆっくりと
真琴の話を聞いてやると
真琴は
小説家になることを
親に猛反対され
それでも
小説家になりたくて
賞金全てを握りしめ
家出同然で上京したらしい
当然
賞金などすぐに底をつき
なんとかその後の収入で
食いつないでいたが
本の売れ行きは
悪くなっていった
バイトしようにも
田舎育ちの真琴には
都会で働く勇気もなく
とにかく食べず
光熱費を節約しながら
生活をしているらしい
なるほど
それで
スイッチの入ってない
こたつってわけだ
「お前が仕事出来なくなんのも
迷惑だしな
ま、そっちは気にせず
小説書いてりゃいい」
「…ほんとに…よかった…」
全てを話終えた真琴は
ホッとしたのか
腹がいっぱいで眠いのか
重そうな目をしている
少し…寝かせてやるかな
俺はそのまま何も話さず
パソコンに目を通すふりをすると
真琴は
あっという間に
こたつに伏せたまま
眠ってしまった
無防備で
まだまだ甘えた顔
少し顔にかかる
柔らかな髪もそのままに
聞こえる
小さな寝息
時々ピクピクと動く
細い指は
夢の中でも
小説を打ってるんだろうか
頑張れよ
真琴
気まずくなった俺は
せっかく触れた
真琴の髪から手を離して
腰を下ろし
気を紛らわすために
ガムを口に放り込んだ
「ま、まぁ
そんなことは珍しくねーから
気にすんな
ある程度なら
なんとかしてやるから」
ほんとは
珍しい話だけどな
それから
ゆっくりと
真琴の話を聞いてやると
真琴は
小説家になることを
親に猛反対され
それでも
小説家になりたくて
賞金全てを握りしめ
家出同然で上京したらしい
当然
賞金などすぐに底をつき
なんとかその後の収入で
食いつないでいたが
本の売れ行きは
悪くなっていった
バイトしようにも
田舎育ちの真琴には
都会で働く勇気もなく
とにかく食べず
光熱費を節約しながら
生活をしているらしい
なるほど
それで
スイッチの入ってない
こたつってわけだ
「お前が仕事出来なくなんのも
迷惑だしな
ま、そっちは気にせず
小説書いてりゃいい」
「…ほんとに…よかった…」
全てを話終えた真琴は
ホッとしたのか
腹がいっぱいで眠いのか
重そうな目をしている
少し…寝かせてやるかな
俺はそのまま何も話さず
パソコンに目を通すふりをすると
真琴は
あっという間に
こたつに伏せたまま
眠ってしまった
無防備で
まだまだ甘えた顔
少し顔にかかる
柔らかな髪もそのままに
聞こえる
小さな寝息
時々ピクピクと動く
細い指は
夢の中でも
小説を打ってるんだろうか
頑張れよ
真琴