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君を好きにならない
第13章 追跡
「司さん!
どうしたんですか?」
マサシは
連絡もなしに来た俺に
驚いた
「えーっと…」
どうしたと聞かれると
どう答えればいいのか分からず
俺は
苦笑いを浮かべた
「真琴さんと
うまく…いかなかったんですか?
俺、心配してたんです」
察しのいいマサシだ
「あぁ…
真琴は昨日の夜
アパートに戻ったんだ」
「そうですか…大丈夫ですか?
司さん寝てないんじゃ
ひどい顔して…あ、どうぞ
とりあえず
寒いから中に入って下さい」
「…ありがとな」
「気にしないで下さい」
マサシが居てよかった
マサシには
ひどい事をしてるのかもしれないが
どうしても
一人になりたくなかったんだ
俺は
マサシの言葉に甘えて
玄関の中に入り
「ごめんな」
そう呟いて
靴を脱ごうとした
すると
その時
「やっぱりちょっと待って」
そう言って
マサシは俺の肩を掴んだ
「え?」
一瞬
俺が部屋に上がったら
何かマズイ事があるんだと
思った
玄関に他の男の靴はないが
マズイのなら
このまま上がる訳にはいかない
残念だけど…
「あ、悪かったな突然来て。
都合が悪いなら帰るよ」
「お、送ります!」
「え?」
「一人で…帰りたくないんですよね。
分かります。
だから
送ります。
マンションまで」