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君を好きにならない
第13章 追跡
ドアを開け俺が中に入り
マサシに
「入れよ」と声をかけて
靴を脱ぎながら電気を付けると
カチャ…と
ドアが閉まる音が聞こえ
振り向くと
靴を履いたままの
マサシが立っていた
「明日…
仕事何時くらいに終わりますか?」
「今日と…同じくらいかな」
「じゃあ、明日は
そのくらいの時間に
この辺まで来てます」
「なんでだ?」
「司さんが
一人で帰るの平気になるまで
毎日送ります。
眠れなかったら
酔って眠くなるまで付き合います。
司さんの心が癒えるまで
何日でも。
ほんとに…心配なんで。
それから俺…
好きなんです
やっぱ司さんのこと。
だから
司さんが
俺の名前間違えなくなるまで
待ってるんで
もし
間違えないで
俺の名前呼んでくれる時がきたら
そしたら…
俺のアパートに
来て下さい」
「マサシ…」
「それだけ
言いたかったんで。
じゃ、俺帰ります」
マサシは
そう言うと
すぐにドアを開けて
一歩外に出た
「マサシ」
「はい」
そんな日が来るかどうかは
分からない
だから
俺のために
毎日来るなんてこと
しなくていいんだ
と
弱い俺には
言えなかった
「よく眠れそうだ」
「よかった。
じゃあ、おやすみなさい」
「あぁ、ありがとな。
おやすみ」
ガチャ