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君を好きにならない
第15章 どっちなんだよ
少しほっとしたような顔の真琴を
今度は俺が抱きしめて
優しく髪を撫でると
真琴は
甘えるように
俺の肩に頬を摺り寄せた
弟みたいだと思ってたけど
まるで
子供みたいだな
俺は
一生子供とは
縁がない性分だけど
本当に子供がいるとしたら
こんな感じなんだろうか・・
「いいよ真琴
俺はこうやって
お前と付き合えるだけで十分だ」
それから真琴に
甘いキスをすると
真琴は少し照れて笑って
俺にキスを返してくれた
「でもね」
「ん?」
「してみたいなって
気持ちはあるんだよ、僕も」
「無理すんなよ」
「無理じゃないよ。
向井さんが感じるとき
どんな顔するのか
見てみたい気もするんだ」
えっ・・
「俺の顔?」
「うん」
ちょ、ちょっと待て
それってやっぱり
お前がタチのつもりなのか?!!
マズイ
マズイマズイマズイ
せっかくここまで
いい感じできてんのに
どってもタチだったってオチは
ねーだろーー
「変かな、そんなこと考えるの」
「あ、いや、全然変じゃねぇよ。
好きな相手を
気持ちよくさせたいって思うのは
普通の事だし
気持ちよくなってる相手を
見たくなるのは
ごくごく普通のことだ。
だからそれについては
何も問題ねぇ」
「そ、そうか。
よかった」
「なぁ真琴」
「ん?」
「どーしても聞きたいことがあるんだが
聞いてもいいか?」
「う、うん。何?」
「お前って・・どっち?」
「え?」
「俺、タチなんだけど」