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君を好きにならない
第17章 見たことのない景色
「あれ?
向井さんどうしたんですか?
すげー顔してますけど」
泣きそうと言ったが
ほぼ泣いていると言っていいほど
俺の目には涙がたまっていて
同僚に声をかけられてしまった
「あ?
あぁ(苦笑)
いいもん読んでたら泣けてきた」
「誰のですか?」
「平塚」
「あ~崖っぷち平塚先生?」
「あぁ。
でももう崖にも立ってねー。
復活決定だな」
「ほんとっすか?」
「あぁ、見てろよ」
「じゃ、楽しみにしてますね。
あ、俺出かけてくるんで」
「おう」
同僚に手をあげて
俺はまた
パソコンに集中した
次は
濡れ場だ
同僚が出かけたおかげで
俺の近くの席は空席で
フロアーには人もまばら
読んでる時の顔を見られなくて
よかった
そう思いながら
俺は
真琴の文章に
のめり込んでいった