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君を好きにならない
第19章 最終章
やっとオネェから
解放され
俺と真琴は
ビールで完成祝いの
乾杯をした
「うまいなぁー」
「そうですね」
真琴の引越しも終わり
次回作の編集担当も俺に決まり
とりあえず
全てがひと段落して
とにかく酒がうまいと思った
「向井さん」
「ん?」
「マリリンさんって
あーゆー感じだったんですね」
「あーゆー?」
「オネェって
向井さんが言うから
僕、女装してる人って
ずっと思ってました」
「あー(笑)
あいつは見た目は男なんだ。
それよりテンション高くて
びっくりしたろ?
けど、あぁ見えて
いい奴なんだ」
「うん。
なんか…分かります。
僕、こーゆー店とか
マリリンさんみたいな人とか
いっぱい観察して
今までと違った小説
めちゃくちゃ書きたいな〜」
「おぉ、いいじゃないか。
楽しみにしてるよ」
「うん」
オネェが
真琴のことを
俺のドストライクと言ったことが
嬉しかったのか
それとも初めてのバーで
テンションが上がってるのか
俺の心配をよそに
真琴は上機嫌だ
けど
真琴の言う通り
これからは
もっと色んな経験をさせて
やらないとな…
もっと
世界を広げてやんないと
「向井さん」
「ん?」
「マサシさんは居ないの?」
「そーだな…」
店内を見回したが
いる様子がない
「オネェも何も言ってなかったし
来てないんじゃねーか?」
「…そっか」
不満なのか安心したのか
わからねーが
真琴は微妙な顔をして
酒を飲みはじめた