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君を好きにならない
第4章 触ってみてもらえますか?


飯を食い終わると
もう21時を回っていた


真琴は
飯が終わると
礼のつもりなのか
いつものように
すぐ皿を洗い出し

若干

そろそろ帰りそうな
雰囲気を出した


その雰囲気を感じてはいるが
どうしたもんだか
自分の気持ちに決着がつかない俺は
気付かないふりをしたまま
一応、貸してやろうと思っている
DVDを物色しながら
ビールを飲んでいる


久しぶりにDVDのパッケージや
タイトルを見ていると
自分の若い頃を思い出して

ちょっと
マサシを思い出した


興味もあるし
ヤってみてーし
言えねーし・・・
世話になってたなー・・あの頃


「向井さん」


「あ、な、なんだ?」


皿洗いを終えた真琴は
いつの間にか俺のすぐそばに
腰を下ろしていた


「それ・・」


「あ~、これな。
さっき言ってたやつだ。
好きなもん、持ってっていいぞ」


「あ~・・」


「どした?
あ、見るのあんま好きじゃねーって
言ってたもんな。
ならいいぜ、持ってかなくても。
参考に渡しとこうかと思っただけだから」



「いえ、ありがとうございます。
でも・・ちょっとだけ・・」


「?」


「お願いが・・」


すると
真琴は急に背筋を伸ばし
唇にキュッと力を入れたかと思うと
突然深く頭を下げた


「ど、どうしたんだんだよ」


「お願いします!
数日でいいので
ココで小説を書かせて下さい!」





ありがとな



真琴




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