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君を好きにならない
第5章 若いな、お前
それから
真琴は俺のマンションに
寝泊りするようになった

『好きなだけ居てもいい』

と言ったからか
数日たっても真琴は帰る様子がなく
アパートから
身の回りのものを
運んできている状態


まぁ、かまわないんだけど。


真琴は
俺が眠るベットの横に布団を敷き
まるでアイツみたいに
毎日スヤスヤと眠る


無防備で・・子供で
甘え上手で無邪気で
でも仕事は真面目で
ちょっと周りが見えなくなるくらい
入り込む


そういえば

そういうところも
アイツに似てるな・・と思う


普段真琴は
昼頃まで寝て
それから小説を書いている


俺が遅くに帰って来ても
起きててられるように
そうしてるらしい


そうしてるうち
だんだん寝る時間が遅くなり
大抵、夜遅くまで仕事をしてる真琴を残して
俺が先に寝るパターン


もちろん『ごっこ』は続いている


いつも顔を合わせているせいか
ごっこにも慣れてきて
今のところ問題はない

問題ってのは

俺が途中で欲情しなくて
すんでるって意味だ


けど
小説が進むにつれ
ごっこの内容がエスカレートしつつあるのが
今の俺の悩み


そろそろ
コーヒーショップの二人は
新展開を迎え
接近することになっている


今までの
ただ仲のいい二人から
一歩踏み込む段階だし
ページ的にもそろそろ
濡れ場が必要なんだ


やべ・・・


考えただけでも
タチそうだ


真琴の
「ちょっと触ってみてください」
という言葉に俺は弱い

それが
肩であろうが腕であろうが
膝であろうが
どこであろうが・・。


実際、俺は今まで
作家とこんなことはしたことがない


けど真琴はそんなこと知らないままだ

真琴は
いったいどのへんまで
ごっこをするつもりなのか・・・



「・・ん・・あ・・

向井さん・・おはよ・・ます」


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