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嫌いじゃなかったの!?
第2章 1ページ目。
隣に佐伯さんが座った。
横を通り過ぎるときに香水の匂いではなくて、柔軟剤のいい香りがした。
最近の男の子はこんなにいい香りしてるんだねぇ。
私と年は4歳か3歳しか違わないはずなのに時代の違いを感じてしまう。
男の匂いを嗅いで、いい香り〜
なんて変態じみたことを考えていると
「佐伯くん、よろしくね」
と、佐伯さんのデスクの向かい側に座っている田中さんが声をかけた
すると佐伯さんはまたあの、違和感のある素敵な笑顔を作って
「よろしくお願いします」
そう言った。
多分この人は他人に興味がないんじゃないだろうか。
瞬間的にそう思ってしまった。
それにしても、佐伯さんの新人教育は誰がやるんだろう。
私の憧れの天才営業マンの石川さんだろうか?
それなら羨ましいなぁ。
野田さんが悪いと言っているわけではないけれど、新人の頃に石川さんから教育を受けれるのは本当に羨ましい。
「あ、真嶋」
突然部長が私を呼んだ。
書類に不手際でもあっただろうか。
「お前今日書店周りあったか?」
「あ、はい。午後から」
なんか会議でもあったっけ?
「じゃあ書店周りに佐伯くんも連れてってやってくれ。お前が佐伯くんの新人教育係だ。」
「あ、わかりました。書店周りで………え?」
聞き間違えかな?
「私が新人教育ですか!?」
自分の目が見開かれてるのがわかる。
それほど驚いている。
そんな私に
「真嶋さん。どうぞよろしくお願いします」
佐伯さんはあの笑顔を浮かべて私にそう言った。