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嫌いじゃなかったの!?
第9章 8ページ目。


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「杏子ちゃーん?生きてる?」


「えぇ!?あ、生きてますよ!」


野田さんの声が私を思案の世界から現実世界へと引き戻す



「今日はなんか元気ないね?何かあった?もしかして恋煩い?だから今日は髪結んでないの?乙女だね〜杏子ちゃん!」


ニヤニヤして野田さんは言った


野田さんのこの絡み、有山書店の田島さんそっくり…。ようするにおばさんみたいだということだ。


「恋わずらいなんかじゃありませんよ!」


「ふ〜ん?頑張ってね!」


何を頑張れば!?


野田さんはルンルン♡といった様子で外周りに出かけて行った


本当ならもっと弁解したかったところだけれど、髪を下ろしている理由、それと心ここに在らずの理由についてもさすがに人様にはなせるようなものじゃない。





まず1つ。髪を下ろしているのは、首にあるいくつもの所有印がコンシーラーで消しても消えなかったからだ。


コンシーラーの力をもってしても私の首の所々に点在している赤い斑点を消すことができず、さすがにこれは他人にまでも昨日の情事がバレてしまうと判断した



そして、私が思い悩んでいる理由。


それはもちろん朝の蓮の話だ。


私は蓮の提案とプロポーズ?を保留にした。期限は1ヶ月。


まぁ、だいたい八月の頭までだ。


長いように思えてあっという間


年を取ってしまった今ではなおさらあっという間だ


いつか1年がスポーツカーが通り過ぎるが如く過ぎ去っていくようになるのだろうか




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