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嫌いじゃなかったの!?
第11章 10ページ目。
わたし、これでフラれたりなんかしたら、生きていけないかもしれない。
幼馴染とも別離して、好きな人にフラれて。
でも、まずは、凌の答えを聞かないことには始まらない。
わたしは凌を見上げて
「返事は…?」
と聞く。不安だ。
そんな私の不安を感じたか、凌は優しく微笑んで
「ずっと、その言葉が聞きたかった。」
そう言って、優しく微笑んで、私に優しく口づけをして、
「ここ最近杏子に無視されて、冷たくされて、名前呼んでもらえなくて、触れられなくて、しんどかった。」
そう言って、少しシュンとした表情を見せる凌はご主人様を待っていた忠犬のようだったし、普段は感じさせない年下感を醸し出していてたまらなく可愛かった。
だから思わず私は凌の頭に手を伸ばして髪を撫でた。
柔らかい髪の毛だ。
そして、その手を頬に滑らせ、添えて、少し背伸びをして自ら口付けをした。
私が口を離し目を開けると、寂しそうな顔をして、私が凌に頬に添えた手に手を添えて物足りなさそうな顔をした凌がいた。
「私もずっと、こうしたかった。凌に触れて、触れられたかった。ごめんなさい。私は本当に最低な人間。一人に、と決めたら他の人の気持ちなんて考えられないなんて本当に。最低。」
「いや、それが人間だと思う」
そう言って凌は優しく微笑んだ。
その笑顔にさえ涙が出そうになる。
「この前、『私の体になぜキスマークがついてるか教えてくれる日が来ると信じている』と、凌は言ったよね。私があなたにしたひどいことを謝るにはそれを話さなきゃいけない。」
私が少し表情を歪めると、今度は凌が私の頬に手を添えて、
「それは気持ちが落ち着いたらでいいよ。今は杏子に浸らせて。もう俺のものって思っていいんだよな?」
その言葉に私は顔が赤くなった
私は、凌の…
「か、彼女?」
私がそう聞くと凌は愛おしげに笑って。
「そう。俺の彼女。」
そう言って、ゆっくりと私に顔を近づけ、深い口付けをした。
私は涙が溢れるのなんて御構い無しに、その口付けに答えた。