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セカンドラブ
第5章 ラ
「何?」
その顔は昨日までの優しい顔じゃなくて。
5年前の私の記憶にある会社での主任の顔だ。
プライベートに誰も寄せ付けない
仕事一筋の、主任の顔。
そう。こんな顔だ。
昨日までがあまりにも優しい顔で、忘れてた。
「一方的に決めないでください」
「一方的じゃないよ」
そういう主任の顔はどことなく寂しげで。
「先日の主任試験で経管の山崎が主任になった」
「え。そうなんですか!」
山崎くん、主任になったんだ。
そうか。もう30なんだもんね。
ストレートに出世すれば主任試験だよね。
「その話を家に帰ってきてしおりにしたんだ。
しおりは何かを考え込んでいるようで
そして翌朝、しおりの記憶がなくなっていた。
会社を辞める前の自分に戻ったんだと・・・すぐに思ったよ」
「え・・・・」
「覚えていないかもしれないけど。
専業主婦になると決めたのは、しおり本人なんだ」
「・・・・」
「でも。俺が忙し過ぎて俺の面倒をしおりが見なきゃいけないと
思ったのかもしれないな。
もっと強く、退職を止めなくて悪かったよ」
「・・・・」
「そう思って、人事部に復職できないか聞きに行って
返事を待っている時だったんだ」
そう、なの?
「今日返事が来た。とりあえずは契約社員で」
「・・・・」
「池田、復職しろ」
その顔は昨日までの優しい顔じゃなくて。
5年前の私の記憶にある会社での主任の顔だ。
プライベートに誰も寄せ付けない
仕事一筋の、主任の顔。
そう。こんな顔だ。
昨日までがあまりにも優しい顔で、忘れてた。
「一方的に決めないでください」
「一方的じゃないよ」
そういう主任の顔はどことなく寂しげで。
「先日の主任試験で経管の山崎が主任になった」
「え。そうなんですか!」
山崎くん、主任になったんだ。
そうか。もう30なんだもんね。
ストレートに出世すれば主任試験だよね。
「その話を家に帰ってきてしおりにしたんだ。
しおりは何かを考え込んでいるようで
そして翌朝、しおりの記憶がなくなっていた。
会社を辞める前の自分に戻ったんだと・・・すぐに思ったよ」
「え・・・・」
「覚えていないかもしれないけど。
専業主婦になると決めたのは、しおり本人なんだ」
「・・・・」
「でも。俺が忙し過ぎて俺の面倒をしおりが見なきゃいけないと
思ったのかもしれないな。
もっと強く、退職を止めなくて悪かったよ」
「・・・・」
「そう思って、人事部に復職できないか聞きに行って
返事を待っている時だったんだ」
そう、なの?
「今日返事が来た。とりあえずは契約社員で」
「・・・・」
「池田、復職しろ」