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セカンドラブ
第6章 ブ
「いやです!」

いきなり突きつけられた「離婚」の現実に思いっきり動揺した。

「主任が、家庭にずっといる女性が好きなら
私、復職しなくても良いです」
「池田・・・そうじゃないだろ」

「池田じゃなくて、しおりって呼んでください!!」

―――ねぇ。主任。しおりって呼んでください。

「俺が『しおり』って呼ぶ意味、分かるか?」

―――しおりって呼んだら、もう池田を離せなくなるよ。

「『しおり』は俺の奥さんなんだよっ」

―――しおり、結婚しよう。仕事は辞めなくて良い。

「奥さんって意味分かるか?いつまでもプラトニックでいる自信なんかないんだ!!」

―――2人で死ぬまで一緒に暮らしたい。それだけでいい。

―――ううん。仕事は辞めてもいい?祐一くんの奥さんとしてやりたいことがあるの。


「ゆ、いちくん・・・」
「・・・え?」

「祐一くん?」
「しおり?」

「離婚、なんて言わないで。私祐一くんのそばに、いたいの」

あぁ・・・
戻って、きた。

私の記憶・・・・

祐一くんに私を名前で呼んで、と初めて言った時。
祐一くんのプライベートの中に・・・
祐一くんの人生に、私も入れてもらったんだ。
2人で2人の、人生を始めたんだ。

そうだ。思い出した。

「しおり?」

「思い出したよ。祐一くん」
「しおりか?」

「離婚するなんて言わないで」

そう言った途端、ギュッと抱きしめられて
私は祐一くんの腕の中にいた。

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