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セカンドラブ
第6章 ブ
「だから・・・あの頃に戻れるのなら・・・
戻って、倒れる前の祐一くんの身の回りのことを全部やってあげたいと思ったのよ」

「ばかだな。今十分にしてもらってるだろ。
過去に一人で戻るなよ。俺との時間を忘れるな!」

「うん」

「俺が山崎の・・・昇進の話をした後に記憶をなくしたから。
しおりは俺たちが過ごした3年間の結婚生活を丸ごとなかったことにしたいのかと思った。
付き合う前の5年前に戻って、俺とのことを全て記憶からなくしたいのかと思ったんだ」

「違う・・・よ。祐一くんはあの時ずっと忙しくて。
今でも思い出すとまた倒れるんじゃないかと不安なの。
毎年、健康診断の時期は気が気じゃないんだよ」

「しおり」

「今はあの時に比べて無理はしなくなったけど」
「しおりが見張ってるからな」

祐一くんは泣きそうな顔で嬉しそうに笑った。

「山崎くんの話をされて村上物産の当時を思い出したのよ。
あの頃、経管の山崎くんに色々資料を借りたりしたから思い出したの。
それで倒れた祐一くんを思い出したのよ」

祐一くん、そんなに強く抱きしめたら・・・苦しいよ。

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