この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
エリュシオンでささやいて
第6章 Invisible Voice
 

「須王、早く!!」

 美女の声。
 そして早瀬が助手席に座り、美女が運転席に座ってエンジンをかけた。

 慌てて黒服達が出てくる。

 車は少しバックして……猛スピードで道路を走った。

「え? え? え?」

 なにがなんだかわからない。

 拉致られたのかとも思うけれど、早瀬が乗り込んでいるのならこれは拉致ではない。だったら一体、なに?


「柚チャン、おひさ~。ごめんね、猛烈なの須王にかまして」


 美女が、フロントミラー越しに話しかけてくる。

 おひさ……って、お久しぶりということよね。

 やはり、九年前に早瀬とキスをしていたひと……。

「きゅ、九年越しの……早瀬さんの……恋人さん、ですか?」

 心が悲鳴……いや絶叫を上げている。

 早瀬が切れなかった女がいたということに。
 そして女優も霞むようなこんな美女を相手にしていたことに。

 ハナからあたしなんて、眼中になかったんだ。
 わかっていたのに、悔しくて――。

 だけど。

「上原、違うからな!! ありえねぇからな!!」

 早瀬の怒声と、

「ぶははははは!! 私は迫っているんだけどね、全然須王ちゃん靡いてくれなくてね……」

 笑う美女の声がユニゾンして。

「……えーと」

「いやーん、同級生を忘れちゃったの? 上原サン」

「は? 同級生……って」

 そして行き当たるのは、ひとつの事柄。

 まさか――。

「てめぇぇぇぇ……覚えてろよ、俺をひっぱたけと言ったのに、なにしやがったんだよ、棗!!!!」

 な、棗くん……?

「あらぁ、私を危険に巻き込んだんだから、それくらいいいでしょう? お久しぶりでーす。私、白城棗、柚チャンと同い年で、須王と同性でーす」

 後部座席で、脱力したあたしはずるっと滑り落ちた。

「は、はは……」

 早瀬の友達、白城棗くんは……見た目は超美女の男性でした。

/1002ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ