この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
エリュシオンでささやいて
第6章 Invisible Voice
 

「やはり朝霞は事前に情報を聞いていて、お前を庇っているようだ。さてさて、事態収拾班がいねぇのならどう穏便にお前を拉致るか、となれば……逆に俺達が目立たねぇと駄目だな」

「え、いやらしいことは嫌だけど」

「それより目立ってここを出るようにする。お前も、ちょっと覚悟してろよ。虎を檻から放つから。出来るだけ俺に囓らせるようにはするけど」

 早瀬は不穏なことを口にして、スマホを弄った。

 そしてセットの珈琲が来て、飲んでいた時だった。

 窓の外に、真っ赤なBMWが停まったのは。

 そして中から出てきたのは、赤いスーツのボンキュッボンの美女。
 どこぞの大女優だろうか。

 縦巻きの髪を靡かせて、この喫茶店に入ってくる。

 華やかな絶世の美女。
 誰もが目を奪われる。

「ねぇ、こっちにやって来るけど。あの赤いひと。あなたの知り合い?」

 そう尋ねた時だった。

 珈琲カップの把手に優雅に指を絡ませて飲もうとしていた早瀬に、その美女が後ろから抱きついたのは。

「須王ちゃん、お久しぶり~!! 連絡くれてありがとう。私、早くまたあなたに抱かれたくて」

 そして、目の前で……ぶっちゅうとばかりに唇が重なった。

 トラウマが、フラッシュバックする。

 音楽室で見たような光景。

 見たような、ではない。

 ここまで派手ではなかったけれど、このひと……あの時の女性じゃないか。

 はは……。

 なにが手で隠していたよ。
 なにが、そんな女はいない、よ。

 いるじゃないか。

――私、早くまたあなたに抱かれたくて。

 手の切れていない女が。

 女は艶然とあたしを見ていて。

 そして早瀬は――。

「違う、これは――っ!!」

「嘘つき!!! 最低!!!!」

 あたしは憤然と立ち上がり、よろけながら店の外に出て行く。

「待てよ、柚っ!!」

 後から追いかける早瀬に腕を掴まれる。
 
 それをぱしっと手で払いながら歩く。

「離してよ、離し……」

 ……その時だ。

 後ろから駆けて来た美女があたしの腕を掴んで、BMWの後部座席のドアを開けると、あたしを押し込んだのは。
 
/1002ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ