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エリュシオンでささやいて
第7章 Overture Voice
「ラズベリーよりこっちの方がやみつきになりそう。ここ、噛んだら噛むほど、甘くなるのお前?」
「い、や……ぁ……っ」
ふるふると震えたら、須王が笑う。
「ふ……なにお前、言葉責めに弱いの?」
「違……っ」
須王が、勃ちあがった胸の蕾を甘噛みしているところを見せると、あたしの身体が刺激に弾んだ。
「甘いな、お前の。やっぱり俺、ベリーよりお前の方が好きだわ。よく味わわせろよ」
そう言うと、口や舌を使った念入りな蕾の刺激が始まってしまった。
捏ねられる蕾の形や刺激より、須王の眼差しに感じてしまって。
彼はこういう顔で、後ろからあたしを愛撫していたのだろうか。
こんな蕩けたような顔で、どこまでも妖艶にどこまでも男を見せて。
九年前のように、愛されていると思えるような眼差しで――。
そう思ったら余計にぞくぞくと身悶え、ピアノを弾くように胸を強く弱く愛撫する須王に、自然と喘ぎ声が大きくなって、胸に頭を埋める須王の頭を抱きしめるようにして啼いてしまう。
恥ずかしいけど、好きなひとに愛撫されるのは幸せで。
今まで嫌悪感しか持ち合わせていなかったあたしは、あの時以上の幸福感に満ちた快楽を刻まれていく。
「ぅ……ん、はぁ、は……ぅうん」
……あたしの悶える姿を、須王はじっと見ていた。
目が合うと、それだけで上り詰めそうになる。
冷ややかにも思えるダークブルーの瞳。
それが熱を帯びて蕩けて、あたしに熱を植え付けようとしている――。