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エリュシオンでささやいて
第7章 Overture Voice
「……いいのか?」
「うん……」
須王の目は細められ、その両手があたしの後頭部を抱えるようにすると、身体を密着しあうようにして、唇を重ね合わせた。
須王の身体に包まれながらのキスは、とても甘くて。
お互いの唇を食むようにしあい、舌を吸いあい絡ませ合えば、須王への愛情が溢れて泣きたくなってくる。
角度を変えて音をたててキスをすると、須王が漏らす甘い声に同調したように、あたしの口からも鼻にかかったような甘い声が出て、合奏を始めた。
好きだと伝え合うようなキスは、次第に激情に身を任せたかのように深く激しくなり、ぬるりとした舌が互いの口腔内で暴れて。
その激しさに共鳴したように、きつく抱きしめ合うあたし達の身体もひとつのリズムを刻み、足を絡め合うようにして、キスに溺れて。
須王のあたしの顔を弄るその手のひらの熱が、あたしの肌に溶けていく。
情熱を秘めた須王の眼差し。
こんなに優しいのに、どうして怖いと思ったんだろう。
身体が、須王が欲しいと言っている。
須王が好きだと、言っている。
「ん……」
あたしを下にするようにして、須王の唇があたしの耳に行き、耳殻や耳朶を甘噛みされる。
「ひゃ……んんっ」
須王の舌は耳から首筋へと移動し、肌に這われる度にあたし身体が仰け反るような動きを見せて、快感を訴えると、須王はぎゅっと抱きしめて直に触れあう彼の身体であたしの身体の震えを感じ取ろうとしていた。
須王のしなやかな身体は舌を這わせながら、下に移動して、あたしの手に指を絡ませて握りながら、あたしの乳房を反対の手で揉む。
「ん……」
ため息のような甘美な声があたしの口から自然に漏れる。
「柚。すげぇ綺麗だ……」
うっとりとしたような声が聞こえて、あたしは身体を震わせながら、乳房に頬をつけている須王を見た。
「すげぇドキドキしてるけど、怖くねぇ……?」
「ん……。恥ずかしいだけ……」
やはり須王に、愛撫されているところを見るのは恥ずかしくて、羞恥に身悶えるが、須王は微かに笑うと、胸の頂きに吸い付き、胸の頂きを舌で転がしては、また吸い付いた。
その舌と唇でキスを翻弄されていると思えば、身体が熱くなり下腹部が熱く蕩けてくる。