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エリュシオンでささやいて
第7章 Overture Voice
「柚。俺を見て。お前を愛しているの、俺だとしっかり見て」
キスも出来そうな近い距離で、須王に舐められている秘部を見せつけられているあたしは、緩急つけたその愛撫に涙目で啼くことしか出来なくて。
「十二年来の俺の愛を甘く見るなよ」
そう笑うと、須王の攻めが容赦なく続く。
好きなひとに、しかもあたしの身体を知り尽くした男に、一番感じる部分を舐められていると思っただけで既に半分上り詰めてしまっていたあたしは、あっけなく頂点に行き着いて。
「駄目、須王っ、イク、イッちゃ……」
さらにはイクイク騒いだあたしの顔を、真上からじっくり見られてしまったまま、上り詰めたあたしが半べそになっていると、須王が笑いながら横に身体を伸ばして、あたしを抱きしめながらキスをしてくる。
「はぁ……お前なんでそんなに可愛いの? 俺をどうする気だよ」
「可愛くない! スケベ! エッチ!」
ポカポカと須王の胸を叩いて抗議するあたしに、須王は「そうだよ」と開き直った。
「悪いけど、こういうことしたいと思うのお前だけだから。お前のすべてが好きだから、そういうことをしてぇんだ。お前限定でいやらしくもなるさ」
「……っ、開き直るな!」
「あはははは」
じゃれあうようにキスをして、数分後。
「俺も気持ちよくなってもいい?」
須王の顔が、切なく歪んだ。
「……今日のお前は一段と可愛くて……もう限界、なんだ。お前のナカに挿らせてくれるか?」
切羽詰まった顔で、出された声は欲に掠れたハスキーなもの。
ぞくっとした。
「ん……来て」
そう言うと、須王はあたしにキスをしてから、枕元から小箱を手にした。
カチャカチャとベルトを外す音が聞こえる。
「あのさ」
「ん?」
尋ねる声からして色っぽくて、ぞくぞくする。