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エリュシオンでささやいて
第7章 Overture Voice
「うん、好き。須王が……ひゃああああっ」
あたしの返事と同時に、須王があたしの手ごとあたしの尻たぶを持ち上げるようにして、一気に落とす。
強い摩擦と、直後の須王の細やかで早い動きに、果てが近いことを予感させる白い靄に包まれながら、彼の首に縋り付いて啼いた。
いやらしい音。
いやらしい、口づけ。
すべてがいやらしいのに、須王の甘い声だけに反応するあたしの身体は、
「柚……苦しいくらいに……愛してる」
その言葉と、ぎゅっと強く抱きしめられたことにより、一気に上り詰めて。
「イク、イク……っ、須王、須王も来て――」
「ああ、ん……っ、……っ、……ゆ、ず、……く……っ」
そんな声と荒い息とが聞こえると同時に、あたしの胎内でぶわりと大きくなったそれは、須王があたしの尻を押しつけるようにして彼に密着させたから、、白い果ての世界で須王の震えを感じ取った。
あたしはひとりじゃないと。
今度は須王も一緒に来てくれているのだと。
そう感じたら嬉しくて。
「離さないで……」
そうベッドに沈むあたしは、
「やっぱり俺は……お前を離せねぇ。……立ち向かうよ、……と、忍月に」
須王が決意めいて言った言葉を、聞き漏らしてしまった。