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エリュシオンでささやいて
第8章 Staying Voice
 

「……ありがとう」

 自然と、漏れた。

「え?」

「愛してくれて、ありがとう」

 言葉すらも震えて。

 音楽は彼の素の声だ。
 なにも飾ることがない、彼の心だ。

 そう思ったら、感無量で込み上げるものがある。

「……は。言葉で苦労してたのに、音聴かせれば一発だったのかよ」

 少し照れながらも、拗ねたように彼は言う。

「あたしは、一番のあなたの音楽のファンだわ」

「……音楽だけじゃなくて、俺のファンにもなれよ」

「同じじゃない?」

「違うよ、音楽に妬かせるなよ。俺を一番にしろ」

 須王はぶちぶち言いながら、あたしを抱きしめていた手で、毛布越しにあたしの胸を触り始めた。

「返事しねぇと、生で触るぞ」

 艶めいた笑いを響かせ彼は脅かしてくる。

「な、生って……。わ、わかったから。うん、音楽以上にあなたが一番」

「……」

「ちょっと、なにか言ってよ」

 須王は、言葉の代わりに毛布を剥ぎ取ってしまう。

「ちょ! 約束が……っ」

「約束はしてねぇだろ? 触るぞと言っただけで」

「そ、そんな……」

「駄目だ。俺を煽ったのはお前だろ?」

 横暴な言葉を紡ぐ須王の熱い唇が、あたしの耳を甘噛みする。

「ちょ、あ……っ」

 湿った音。
 擽ったさが高じて、ぞくぞくしてくる。

 彼の手が、乳房を優しく強く揉んでくる度にあたしの身体は揺れ、胸の頂きを摘ままれ捏ねられると、切ない声があたしの口から出る。

 須王の舌が耳の穴に入り込むと、ざわざわとしたものが腰から迫り上がって身をぐっと仰け反らせてしまう。

「なんで腰動いてるの?」

 熱っぽい、ハスキーな声で指摘されて。
 下着をつけていない毛布の下のあたしの下半身が、彼が欲しいと彼のズボンの上で刺激をしていたらしい。

 カッと赤くなってしまう。

「……俺が、欲しい?」

「……っ」

「ん?」

 あたしを知りすぎている彼の手と、耳を戯れる口と舌の動きにあっけなく陥落してしまうあたしは、くったりとして、彼の胸板に身体を預けて弱い息を繰り返した。

「おねだりしたら、お前が欲しいもんをやるよ」

 睦言のような誘惑めいた声に身体が疼き、泣きそうになる。


 
 
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