この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
エリュシオンでささやいて
第8章 Staying Voice
  

「お前さ、百面相してねぇで、食えよ。冷めるだろう?」

 須王がテーブルに肘をついて顔を乗せながら、極上の微笑みであたしを促す。

 心臓に悪いこの甘々な彼を意識しながら、本場仕込みだというジャーマンポテトを、口に入れてみる。

 もぐもぐもぐ。

 モグモグ、ただいまお食事中。

「どうだ?」

 痺れを切らしたように、須王が訊いてくる。

「美味しい!! 滅茶苦茶美味しい!!」

「口に合うか?」

「合いすぎ! とっても美味しすぎて、ほっぺた落ちちゃう!」

 あたしの顔がぱあっと明るくなると、早瀬は喜んで、自分の口にも優雅にフォークを運んだ。

 次に付け野菜のキャベツを食べてみる。

「ん~!! これも美味しいね。なに、この絶妙な味は! このキャベツ、どうしたらこんな味になるの!?」

 甘みと苦みと酸味が同在しているキャベツも、凄く美味しい。

「即席で作ったから、家にあったキャラウェイシードと、コンビニにあった安いビネガーで酸味を出している。本場はもっと酸っぱい」

「キャ、キャラ?」

「キャラウェイシード」

 初めて聞く名前だった。

「カレーとか、カクテルのカンパリ、あるだろ? あの中にも入っている、消化を促進させるハーブだ。キャラウェイは和名が姫茴香(ひめういきょう)といい、その種子がキャラウェイシードだ。クミンによく似ている」

 クミンとは、カレー粉の原料と言われているもの。
 残念ながら、あたしはその現物を見たことが無かった。

 どれだけハーブら調味料に、興味がなかったんだろう。

 あたしが作れば、ただのサラダや炒めものばかりになってしまう千切りキャベツを、美味しく食べれる別の方法があるのなら、あたしもハーブを勉強してみてもいい。
 
/1002ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ