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エリュシオンでささやいて
第8章 Staying Voice
 

「は!? なんでそっち!?」

 彼の動揺を無視して、目に飛び込んだそれを手で握った。
 ……が、その手の上を彼の手のひらに包まれる。

「待て! お前、一体なにを……」

「だ、駄目だった?」

「駄目もなにも、なにをしようとしてるんだよ」

「え、ええと……舐めようかと」

 須王の顔がぼっと赤くなる。

「お前、なんだよそれ……っ」

 彼の上半身まで真っ赤だ。

「い、嫌だった!? だったらごめんね、女帝に愛をわかって貰うためには、こうした方がいいと聞いたから」

「あの女~っ!! って、お前もそんなところ、にぎにぎしなくていいから!」

「ご、ごめん、つい……」

「ああ、泣くな! 別に嫌がっているわけじゃ……っ」

「だったらいいの?」

「お前、なんで悪女のスキルをつけてるんだよ。お前がリードしなくてもいいから! そういうことは、俺に任せればいいから! それじゃなくてもそんな水着で挑発しやがって……っ」

「嫌じゃないのなら……」

「だからその絶妙な触り方はよせって! どこで覚えたんだよ!」

「だ、駄目?」

「駄目じゃねぇけど、だけど……」

 悩んでいるようだ。

「だったら……いい? 一応、愛の証明ということで」

「……それは、わかっているから……」

「でも不安なんでしょう? あたしがいなくなるようで」

「……っ」

 狼狽する須王が可愛くて、彼の手をどけて握っていた、少し芯を持ったそれを見る。

「おっきいね……」

「……くそっ、なんの羞恥プレイだよ……。舐めるなよ、もういいな!?」

「駄目。舐めたい」

「……お前っ」

「いつもお世話になっているところだから、ご挨拶を……」

「なに言ってるんだよ、柚っ!」

 あたしは笑いながら、ピンクがかっている男性の生殖器を見た。
 見ているだけで、足の間がもぞもぞしてしまう。
 
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