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エリュシオンでささやいて
第12章 Blue moon Voice
 

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 カーテンを全開にした窓から差し込む月明り。
 ブルームーンの光を浴びた須王の広い背中が、青白い燐光を発している。
 月から出てきたような美しい王子様とあたしは、両手の指を絡ませていた。
 静寂の中、カチャカチャとパワーストーンのブレスレットが擦れ合い、音をたてる。

 ベッドの上に横たわるあたしの両足は大きく開き、その膝をあたしの耳につけてしまうかのようにふたつに折りたたんだ格好のわたし。
 その足の間に、須王は頭を埋もれさせ、くねくねと動く舌でわたしの濡れそぼったそこを、一心に愛撫していた。

「ああんっ、あぁあ、やぁあんんっ」

 喘ぐあたしを挑むような目で見るダークブルーの瞳。
 こんな近くにいる須王に、こんなところを犬のように執拗に、だけど丁寧に舐めさせているのだと思えば、そこに意識が集中しすぎて、あたしの感度は否応にも上がり、絶え間なく喘ぎ声が響く。

「柚……可愛い」

 そんな時に、股で挟んでいる須王が、優しく目を細ませてそんなことを言えば、須王の唾液に溢れているそこがきゅうきゅうと収縮して悦んで。

「そんなこと、言わないで……っ」

「どうして?」

 色っぽい声でそう言いながら、ちゅっちゅっとまるで、美味しくて素敵なもののようにキスを送ると、また蕩け出す蜜を舌で掻き出すように舐め上げ、じゅうううと音をたてて吸い立てながら、流し目であたしを見ている。

 確信犯だと思うのに、須王の攻めに翻弄されるあたしは、よしよしと言わんばかりに、繋いで手を須王の指の腹で撫でられる。
 
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