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エリュシオンでささやいて
第12章 Blue moon Voice
「やあああっ、あっ、ああっ、すお……やっ、んんん」
筋肉の隆起が見える須王の広い背中にしがみつくようにして、大きく揺さぶられるあたしは、互いに突き出した舌をも擦れ合わせながら、全身に駆け上る快感に身体を奮わせた。
「柚……、好きだっ」
切なげに声を弾ませて、須王は言う。
「昔も今も……俺……っ、お前だけ、だからっ」
「すお……嬉しい、嬉しいっ」
須王はあたしの頭を自分の首に埋めさせながら、繋げたままあたしの広げた両足を持ち上げるようにして立ち上がる。
子供がだっこされているような格好で、だけど子供にはしないいやらしい揺さぶりをしながら、あたし達はブルームーンを見た。
切なくなるほど美しい月に、須王が微笑む。
高校時代の面差しをした彼が、あたしとひとつになりながら言う。
「ブルームーンに誓う。俺は、お前だけを愛し続ける」
快楽の狭間に入り込んだ歓喜。
「あたしも、あたしも、須王だけが……」
快感に声にならないのがもどかしくて。
そんなあたしの訴えに、くすりと須王は笑って言う。
「遠くねぇ未来に、俺の家族になってくれ」
それは静かに、心に染み入る声で。
「お前以外に、家族はいらねぇ」
家族に裏切られた彼が求める家族に、あたしを選んでくれたことが嬉しくて、ぶわりと感極まってしまう。
「うん……」
目から零れた涙は須王の唇に拭われ、そんな優しさとは正反対に獰猛に突き上げてくる。
「あんっ、はっ、ああっ、やあっ、ああああっ」
うねるような快楽は須王にキスをされながら、一気に頭上にまで駆け上り、そしてあたしは弾け飛ぶようにして絶頂を迎えたのだった。