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エリュシオンでささやいて
第14章 brighting Voice


 彼の髪を掻き毟るように抱きしめながら、あたしは急くように喘ぐ。

「は……ぁあ……、須王、須王っ」

 彼の頭に頬ずりをして、彼の匂いと熱を求めてしまう。

 秘処に強く押しつけてくる須王は、次第に堅さをもって、己の状態を伝え、そして明らかな意思を見せてあたしの秘処を刺激してくる。

「ん……ぅ」

 もどかしくて、自分から体を押しつけてしまう。

 彼は、乱れるあたしをじっと見つめて、嬉しそうに目を細める。
 その目は情欲に濡れ、扇情的だった。

 彼が愛おしい。

 もっとあたしに欲情して。
 すべての憂いを忘れるくらい、あたしを愛して。

 夜闇に紛れた秘め事。

 ここがどこだということも忘れるくらい、須王が好き。

 もっともっと愛したい。
 もっともっと愛されたい。

「須王……好き……っ」

 彼を抱きしめるこの手を離したくない。

「もっと、須王が……欲しいっ」

 深いところで繋がりたい。

 誰にも邪魔されないように、しっかりとひとつとなって、そのまま夜に溶けてしまいたい。


「……はぁ」

 それまで黙っていた須王が、震えるようなため息をついて、あたしの耳元に囁く。

「理性ぶっ飛びそう」

 それは欲情した、ハスキーな声音で。
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