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エリュシオンでささやいて
第14章 brighting Voice

 ぎしぎしと激しくベッドが軋み、あたしは揺さぶられる。

 唇を重ねて舌を絡ませ合いながら、全身を走る快楽の痺れに身体を奮わせて。

 闇の中でも光の中でも、須王が好き。
 あたしに感じているその顔をもっと見せてよ。

 あたしだけの、須王。
 あたしだけの――。

「あああああっ」

 我慢していたものが、一気に迫り上がってきた。
 あたしの身体が反り返り、目の前に白い閃光が散ってくる。

 須王と両手をがっちりと握りしめながら、果てを訴えれば、彼はあたしの中で大きくなって震えながら、子宮口を目がけて最後のストロークをした。

「ああああぁぁんっ」

「く――っ!!」

 快楽の果てに先に行き着いたのは、どちらが先だったのか。

 いつも白い靄に包まれるあたしの目の前には、荒い息をつく須王が光りながら愛おしげにあたしを見ていて、彼がこんなに近くで見守っていてくれているということが嬉しくて――。

「須王、好き。愛してる――」

 目尻から流れるその涙を、須王が唇で拭った。

「……それでも俺には、敵わねぇ。抱く度にお前に惚れるんだから」

 笑う彼の目尻から、なにかが零れた時に、強烈な光が彼の顔を覆った。

 それは彼の涙だったのか、汗だったのかわからなかったけれど、光を浴びて抱き合って互いの熱い肌を感じる朝は、幸せ過ぎて……すべてを忘れそうになる。

 このまま、須王とふたり、聖なる光に溶けてしまいたい。

 この先に待ち受ける現実を、見ないですむのなら――。



****

 読者の皆様へ

 しばらくお待たせして、すみませんでした。
 
 北海道地震の際には、色々とご心配&励ましを頂きまして、ありがとうございました。
 
 地震が来ないと思っていた土地柄なので、地震対策というものを一切していなかったところ、うちは震度5強で、食器が半壊でした。

 全道停電となり、大正生まれだった祖母も経験していないことを経験しましたが、札幌もなんとか日常に戻りつつあります。
 ただ本震が噂されているので、気をつけていきたいと思います。

 そんな地震にも負けず、今まで書籍化作業をしていた物語が無事に22日、書店に並びまして、一区切りつきました。
 お待たせしていた連載をぼちぼちと再開させたいと思います。

 よろしくお願いします!

 2018.09.28
 奏多 拝
/1002ページ
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