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エリュシオンでささやいて
第15章 Approaching Voice

「柚!?」
「大丈夫、だから」

 火のような鋭い痛みに耐えて笑い続けていると、棗くんの目に変化が生まれた。

 そして。

「ああああああああああああ!!」

 棗くんは須王の首から口を離すと、仰け反るようにして慟哭した。

 すべての感情を超越したようなその声は、絶望にも似て。
 そんな孤独に陥る棗くんを、須王はぎゅっと抱きしめた。

 それは、ただの友情を超えた姿だ。
 
 あまりに美しく、あまりに切なく。
 あまりに痛烈で、あまりに儚い。

 棗くんの痛みを理解出来るのは、須王しかいないのだろう。
 あたしも理解出来るかもしれないと思ったのは、なんとおこがましいことだったのか。

 須王の横にはいつも棗くんがいた。
 そのポジションに立つあたしは、棗くんにとっては「奪うもの」だ。
 
 棗くんの凄惨な悪夢は、終わらない。

 あたしは、棗くんに敵意を向けられたのだろう。
 それはきっと、日常的に積み重ねていた、棗くんの真情だ。

 あたしはどうすればいい?
 棗くんから須王を奪わずにすむ方法は――。

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