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禁断背徳の鎖外伝・小指の選択
第9章 心の中の決断
「・・・どうぞ…」
「・・・・・」
エントランスに現れたのは、あの遠藤という秘書…
確か遠縁だったか‥そう美紀さんの説明にあった。
向こうは無表情‥というか不機嫌そう…
俺、そこまでコイツと関わりは持っていないぞ?
「・・・・・」
遠藤の後に付いて歩いているが、1階は普通‥屋敷って考えたら、こんな感じだと思う。
だが、広い中央階段を上って2階‥雰囲気がガラッと違う…
幾つもの扉‥個室と言った方が良いのか?
その中に、ところどころ大きそうな部屋があり、ずっと歩いて一番端に、1つだけ重厚な扉がある‥‥遠藤もその扉の前で止まった。
"コンコン…"
「会長、お客様がお見えです」
「ああ・・
構わんよ・・・」
中から早乙女氏の声が、という事は執務室か何かか…
扉を開けると、大きな窓ガラスから入る日の光、そして広く幾つものモニターが置いてあるデスクに、早乙女氏が座っている・・
「久しぶり‥という訳でも無いね、1月少々か‥意外に早く会ったものだ…
ようこそオリバー・スミス」
「客船の時は、良い情報源を下さり感謝しています、お陰で末端の一部ですが、捕まえる事に成功しました…
米軍からの感謝の言葉です‥早乙女会長」
「そうか‥‥
で、わざわざ礼を言う為だけに、日本まで来た訳ではあるまい?」
「・・・まあ‥」
チラリと、横に並んで立っている遠藤の方を見てしまう…
早乙女氏の前でも、変わらず不機嫌な表情・・
「・・・
遠藤・・・」
「はい」
「通常業務の方を…
こちらは暫く掛かり切りになるだろう」
「・・・
分かりました会長」
多少不服といった感じだが、遠藤の方は部屋を出て行った…
もしかして‥ワザと下げた??
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