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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第10章 拡大と安定



幾ら表に出ると言っても、不用意に余計な事をする気は無い。


何時も通りに慣れた裏口から入り、重役フロアーで朔夜叔父‥‥専務と合流。



「・・・
緊急会議と言って、重役陣は集めている‥
それと会長も到着済みだ」


「お膳立ては全て整っている‥
さて、狸の化かし合いと行こうじゃないか専務?」


「格好だけじゃ無く、性格まで変えやがって‥
ん"っ‥‥分かった、行こう早乙女取締役」


「・・・
どっちもどっちだと思うがね‥」


「余計なお世話だっ!」


こんな気楽なやり取りから、私の人生最大の賭けが始まった・・・






ガチャっと会議室の扉を開け、専務が先に私が後に会議室に入る。



「・・待たせた・・・」


そう専務が言い、席に付いたところで会議は始まる。



「私を呼んでまで何の会議だ専務‥それに先ず会議には来ない取締役まで連れ立ってとは、どうなっている?」


中心の会長の一言‥
まあ‥流石に会長の性格は、ある程度は知っているので、狙ってはいたが・・



「私が来た理由か‥
昨今、俄かに派閥化しているとは知っているとは思う」


「「「・・・・」」」


それぞれ思う事があるのか、押し黙る重役陣‥
そんな事は承知済み、伊達に買収買収で交渉ばかりやっていた訳では無い。



「本社システム課を3分の1にまで縮小し、クラスター社が受ける外部受注を全て外‥子会社に委託する計画‥‥
だが、本社がただ営業として受けるだけになるとどうなる?」


ゆっくりと、1人1人の顔を見回す‥
勿論、皇も会長も全て‥‥



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