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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第13章 実績と虚像
「・・・
葉山‥少しは落ち着いたらどうだい?」
「はあ・・
どうも慣れないもので‥
この執務室にある調度品1つ壊したら、幾ら飛ぶのかと思うと・・・」
「形ある物は何時か壊れると思うがね?」
「社長は気楽で‥
良く早乙女本宅で、そこまで気楽に居られるのか不思議です」
祖父の話もあり、私は本宅‥父の執務室を使って、業務を続けている。
流石に、私のオフィスの社員全員を連れて来る訳にもいかず、葉山や藤堂など選りすぐりの5名程を本宅に回した。
その際、2階部分を少々改装‥
使っていなかった部屋を、葉山達に割り振る為と、オフィスのサーバーのリンク作業‥‥
やったのはこの程度、前から使っていた部分には、一切手は出していない。
「おや?
私は18才まで此処で暮らしていたからね‥
慣れ‥‥かな??」
「・・・
初耳です、てっきり前社長と何処か別の場所に住んでいたと思いました」
「父は此処で社長業をやっていたと、言った筈だがね‥」
「聞いてはいましたが、本当に住んでらしたとは‥‥」
「はぁ‥
もう少し落ち着いて貰わないと困るのだが‥
私室以外で、何を壊しても誰も文句は言わない、昔朔夜叔父が派手に壊した事もあったし、壊せば勝手に元通りにするよ」
「副社長・・・・・」
若気の至りの朔夜叔父は、本宅に入り込み1階部分‥つまり客間辺りを殴る蹴る‥
まあ‥私が本当に子供の頃の話だが・・
「・・・
一番奥の部屋に入らなければ、後は何も言わない‥
ああ‥3階、会長の居住空間は別だが‥‥」
「それが一番怖いです」
「葉山達に3階に上れとは言わないよ‥
その前に執事に止められるだろう、目端だけはやたら効く‥注意点はその程度、後は会長から許可を貰っているから心配は無い」
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