この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第13章 実績と虚像

恵美里叔母の家は郊外の一軒家、元々夫婦家族で暮らしていたが‥
夫はやはり心臓疾患で早く亡くなり、息子孝一郎は独立が早く‥そして外交官という仕事上、数年に一度程度しか日本に帰って来ない。
(相変わらず花が多い‥‥)
この一軒家は、遠藤に下る恵美里叔母の為に、祖父が用意した場所‥
叔母は一度も、この場所から離れた事は無い、叔母のお気に入りが全て詰まっている場所だから・・・
花で埋め尽くされた庭を抜ければ、見える洋風古民家の家‥
庭に面したバルコニーで寛ぐのが、叔母の大好きな事の1つ。
分かっているから、正面玄関では無く、横のバルコニーに直接来た・・
「紀永さん、洸紀の時依頼ね‥‥」
「はい・・
父の時は、ありがとうございました‥
まさか、伊織まで連れて来るとは思いませんでしたが・・・」
「珍しい事に、伊織さんが行きたいと言ったの‥
どうぞ、お掛けになって‥‥」
「本当に珍しい‥
伊織も、早乙女は嫌っていると思っていました」
誘われるがままに、恵美里叔母が座るテラスの反対側の席に座る。
「どうなんでしょう?
孝一郎程、早乙女嫌いでは無さそうだけど??
紀永さんには懐いているもの‥‥」
「私‥ですか‥‥
本宅を飛び出してから、伊織に会ったのは数回程度、今は会っていませんね・・」
「伊織さんが、明確な意志を持って訪ねる事自体珍しいのよ‥
普段は当たらず触らず‥真面目なんだけど、なかなか心を開いてくれない、それが伊織さん・・」
「そんな感じは、一度も受けた事は‥」
確かに真面目だが、良く私に話す‥それが伊織だと思っていた・・
・

