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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第13章 実績と虚像



(朔夜叔父は、葉山がお気に入りのようだね‥)


叔父は気に入ればトコトン構う‥
年とか男性女性はお構いなし、とにかく親愛の裏返しというか‥相手に取ったら、これも傍迷惑。



「まあ‥真面目な葉山だから、放って置いても大丈夫だろう」


執務室を出て行った葉山を見て、少し笑いながら、私の方は外線用の電話を取る。


連絡先は、勿論恵美里叔母‥
被りそうな被害は、この際無視し必要になりそうな事だけ‥なるべくそれだけで済ませたい。



「・・・
お久しぶりです紀永です‥」


『あら珍しい‥
紀永さんが私に何用かしら?
ああ‥会長からの見たわよ、正式な後継者指名‥良くお父様を動かせたわね』


「色々と・・
それで恵美里叔母様に相談があるんですが、お時間空きますか?」


多分、今日通達を出した筈なのに、流石恵美里叔母は情報が早い。



『しがない1人暮らしですもの、何時でも良いわよ紀永さん‥
でも、紀永さんが相談なんて本当に珍しい事‥‥』


「私でも手に負えない事もありますから‥
少々叔母様の人脈を、お貸し願いたいというところです」


『・・・
そういう事ね‥
分かったわ、明日でどうかしら?
昼頃なら、美味しい手料理を作って待っているわよ』


「それは是非‥
では、昼頃そちらに伺います」


『待っているわ紀永さん』


電話を置いて、もう一度ため息‥
叔母の手料理‥美味しいのだが、たまに爆弾も‥私も何度か被害にあってるのだが‥‥



「まあ‥今回は情報料として我慢するかね‥」


それなりに覚悟しないと、叔母の家になど行けない‥
そう考えると、孝一郎夫婦が海外で不在の時、伊織は叔母の家の方に居るが、よく我慢しているとつい思ってしまう。


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