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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第15章 栄光と影



初めの頃は何事かと、他の秘書達も覗きに来ていたが、こう度々あると周りも慣れたもの‥
そろそろ、遠藤の八つ当たり程度では驚かない。


それに私の見えない場所で、葉山と遠藤が言い合いバトルをしてるとか、してないとか‥
屋敷中のいい噂の種。


火の無いところに煙りは立たない‥
多分に裏でやっているのだろう、一応遠藤は恵美里叔母から預かった身、過ぎてもなんとやらだ。



「もう少し、2人穏やかに出来んものかね?」


「仕事を教えているまでです会長」


「・・・葉山‥‥」


「・・少し思うところがあります‥
もう少しの間、私に任せて頂けないでしょうか会長・・」


「・・・
考えがあると?」


「はい、決して遠藤に悪い事ではありません」


「・・・・・」


どことなく決意したような葉山の顔‥
何を考えているかまでは分からないが、葉山がこう言う以上、本当に遠藤の為に動いているのだろう。


もう少しの間、目を瞑るしか無さそうだ。



「遠藤の方はさておき、言われていた土地の方、調べが終わっています‥
結論から言えば可能、まさか繋がっていたとは‥‥」


「この辺りの土地所有は複雑だからね‥
私も随分前に聞いた話だったから、少々不安はあったが、これで確実に出来そうだ」


「本当にやるのですか?」


「ああ‥
会長職も安定して来た事だし、憂いは1つでも‥‥と言ったところだよ」


「改装と違い、時間は掛かりますが‥」


「構わない‥
私のプライベート、気長にやるよ」


父が残した言葉‥
業務も安定した今、漸く手を付ける気になった。



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