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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第15章 栄光と影
「遠藤、予算資料と決算資料、それに計上報告が抜け落ちています‥
15分で持って来なさい」
「・・・
はい、葉山さん・・」
伊織‥いや、遠藤が来てから、葉山は見ての通り遠藤を扱き中。
私も、まさか葉山が此処まで口出しするとは、思っても見なかった。
「少しやり過ぎじゃないかい葉山?」
「いいえ、情報処理の能力は十二分以上あるのですから、後は秘書的仕事に徹底的に慣れさせる、これが一番です」
「あまり他には口を出さない葉山がね‥」
どういう風の吹き回しやら‥
遠藤が早乙女邸に来てから、私は遠藤に対し叔父の顔は一切見せていない。
あくまでも、早乙女会長と早乙女邸の秘書の1人、この関係を続け、遠藤の方もそれで納得はしているよう。
「失礼します‥
不足分を持って来ました」
「・・・確かに‥
後、言葉使いに気を付けるよう‥
曲がりなりにも、此処は会長の執務室、投げやりな言い方はお止めなさい」
「はい、失礼しました・・・」
ついぞこんな感じ‥
これがもう数ヶ月続いている、葉山と遠藤の上下関係。
(やれやれ‥
遠藤もストレスが溜まっているだろうね‥‥)
元々我慢強い性格だが、こう毎日葉山にやられっ放しは‥
かといって、私が口を挟む訳にもいかず、ずっとこの状態。
"・・・ガチャンッ!"
(やはり・・・)
稀に聞こえるこの音‥
多分に遠藤の八つ当たりだとは予想は付くが、葉山の方は知らん顔・・
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