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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第16章 真実と偽り
「・・・・・
本当に良いのかい葉山?」
「はい、遠藤が来た時から決めていました‥
この選択に後悔はありません会長」
「・・・
そうか‥
別に私から離れるという訳でもない、これからも頼むよ」
「勿論です」
遠藤が早乙女邸に来て、1年も経った頃‥
突然葉山は、遠藤を第1秘書にと言い出した。
自身は第2秘書に回り、早乙女邸内部担当にして欲しいとも‥
それにあわせて葉山は、見合わせていた司法試験に合格し、弁護士としての資格を取った。
早乙女邸内だと、弁護士資格がある方がやりやすい、これが葉山の言い分。
確かに、早乙女関係の事が多く、いちいち外の弁護士に頼むよりも、葉山直接の方が、内部事情に通じているので早い‥
とはいっても、長い間葉山とやって来た私に取れば、少々心境複雑‥
だが、葉山は言い出した事を引っ込める気も無いので、渋々了承。
こうして遠藤が、私の第1秘書として付く事になった・・・
「おはようございます会長‥
本日のスケジュールです」
「ああ‥‥」
随分と葉山に扱かれて、遠藤も変わった‥
初めこそ、葉山とギクシャクしていたが、その内遠藤の方が腹を括ったのか、葉山の教育の通りに、話し方から態度まで変化。
今では葉山並に丁寧口調の、完璧な秘書‥
葉山も1年でよく仕上げたと思う‥かなり無茶苦茶なやり方だったが‥‥
「葉山から引き継いだ、工事の件はどうなっている?」
「トンネル部分は完成しております‥
店舗部分は8割強、セキュリティーシステムも、既に実装済みです」
「そうか・・・」
この1年少しずつだが、早乙女邸から表の商店街に地下トンネルを作り、商店街に1軒の店を建築中。
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