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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第16章 真実と偽り
1年前に調べた通り、トンネル部分から店舗部分は全て早乙女の土地‥
遊ばせておくのもと、私のやりたいように工事を進め、あと1ヶ月もあれば出来上がる。
「仕事が終わったら、久々に物置にしている部屋でも覗いて見るかね‥
遠藤も来るかい?
懐かしい物が見れるよ」
「・・・
いえ‥私は‥‥」
1年、早乙女会長としてしか接していなかったせいか、遠藤は私のプライベートには立ち入らない。
殆ど3階に上がって来る事は無く、必要な連絡は内線で‥
これも少し改善しなくてはと、思っているのだが‥‥
「仕方無い‥
私1人では手に余る、午後から手伝う‥良いね?」
「指示であれば、会長に従います‥」
多少噛み合わない会話‥
何時からだろうか、遠藤がこう一線を引くようになったのは‥‥
(何も言わなかった私も悪いが‥)
葉山の言葉の元、遠藤の教育は葉山に一任‥
ほぼ早乙女会長としてしか、顔を合わせなかったという理由も‥‥
(少しは、元の伊織に戻ってくれないとね‥)
現状では、私の方もやりにくい‥
仕事的には問題は無いが、個人的に言えば問題が山積み‥‥
私だとて、1日中早乙女会長をしているのは、辛いものがある。
葉山とは公私入り混じりだった‥主に私の方だが‥
だが、今の遠藤は私を早乙女会長としか見ていない、元々の私がどんなのか知った上でだ。
午前中の業務を終えて、プライベートのTシャツにジーンズに着替えてから、物置の捜索を開始。
遠藤も後から来る予定、本当に来るかどうかは怪しいが‥
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