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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第16章 真実と偽り



「それは‥‥分かります‥
私の方こそ、どうして良いのか判らず、3階‥会長のプライベートエリアには来ないようにしていましたから‥‥」


「お互い、もう少しプライベートに突っ込んでおけばと思うね‥
私も遠慮し過ぎたのは認めるよ、それに葉山に一任し過ぎた事も‥‥」


「会長・・・」


「・・紀永叔父・・
こんな時まで会長は勘弁だね伊織?」


今は完全なプライベート、そして3階には私と遠藤しか居ない‥
だというのに、ずっと会長と呼ばれるのは、流石に痛い。



「・・・
はぁ‥‥
もう子供では無いのですから、紀永叔父と呼ぶのは少々‥
この1年で、会長と呼ぶのに慣れてしまいましたし‥‥」


「まあ・・
立場は確かに変わったが、伊織は私の可愛い甥っ子には変わりはないのだがね‥
それに子供扱いは、していないつもりだよ?」


遠藤の本音‥
どうやら公私全く別人のような私に、戸惑っている‥そんな感じも受ける‥
それに、私がまだ遠藤を子供扱いしているのではないかという思い。


これが遠藤が、私に一線を引いている理由・・



「・・・ずっと‥会長を目標にやって来ましたから‥
10才しか離れていない筈なのに、会長‥いえ、紀永叔父は、何時も私の遥か上を歩いている‥どんなに追い掛けても届かない程に高く‥‥」


「適材適所‥
伊織には伊織の得意な事がある‥
自分の好きな事、得意な事を伸ばす、それが一番伊織が上手く進める道‥‥
そういう私も、私の好きにやって来ただけの事、プログラミングや経営術は、私の得意とするところだからね」



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