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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第16章 真実と偽り
「午後の数時間しか無いから、なかなか仕上がらないのが玉に瑕だけどね」
それでも増えた‥
完全に安定した会長職と本社子会社‥
余程忙しい時期でなければ、午後も業務が入る事は少なくなり、すっかりアトリエで好きな絵を描くのが私の楽しみ。
父の言った通りの、絵を描く事‥
これが今の私のストレス解消法。
絵だけでは無く、アトリエから車でドライブに出掛けたり、稀にあのバーにも顔を出す。
あれから更に数年経っているというのに、あのバーは未だ健在‥
流石にもうマスターが女性を‥という事は無くなったが、今でも息抜きと、自身の鬱憤解消の為に利用はしている。
「何処に飾ろうか?」
アトリエと言いながら、買い手が来た事は一度も無い‥
私の趣味の範囲なので、それは全然構わないのだが、アトリエが出来て数年‥
描き上げた絵だけが溜まっていく状態。
「いい加減、入れ替えかな?
古いのは‥屋根裏にでも‥‥」
店舗部分と居住部分の間に、物置らしき扉が存在するが、それは早乙女邸への地下道の入り口で、塞ぐ訳にもいかない。
となれは、普段使っていない屋根裏部屋、此処が一番良いだろう。
ソファーに座り、片付ける絵だけを選択‥
暫く屋根裏部屋との行ったり来たりになりそう。
遠藤達は、余程の理由が無ければアトリエには来ない‥
だから作業は私1人だが、良い運動代わりとでも思っておくとする。
こういう時の私は楽観主義、のんびりやれば良いと、午後の空き時間にコツコツと作業。
そんな頃だ、彼女がこのアトリエに入って来たのは・・・
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