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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第17章 孤独と希望



その時、私は屋根裏部屋で作業をしていて、店舗部分に人が来ているとは気付かなかった。


何気なく下に下りて見ると、私の絵を一心不乱に見ている1人の女性‥
いや、高校の制服を着ているのだから、少女と言った方が良いのか?



「・・・・・・・」


彼女が絵を見ているのを、私も思わず凝視してしまう。


昼の光に翳された、腰まである綺麗な黒髪‥
繊細そうだが美人系の小顔な顔立ち、多分160センチは超えているだろうが、均整の取れた細身の身体。


何故、こんなに綺麗と思うのだろうか?


女性なら、幾らでも見て来た私が‥
女性があまり得意では無い私が‥‥


暫く、声を掛けられず‥
彼女は絵に見入り、私は彼女に見入り‥‥
だが、何時までもこうしも居られないと、私の方から彼女に声を掛けた・・



「気に入ったかい私の絵は?」


びっくりしたように、今度は私の方を向いて固まる彼女‥
こう正面から見ても、不思議な‥こう惹かれるような感じを受ける。



「??
私の顔に何か付いているのかな?」


「えっ!?
あ‥いえ‥ただ綺麗だなって思って‥‥
あれ‥何言っているんだろう私‥‥‥」


自分で言って、自分で顔を真っ赤にし‥
最後には俯いてしまった。


しかし、私も自分に対して綺麗と言われたのは初めて‥
これでも男性なのだが‥‥



「くすっ、君変わってるね‥
私から言えば君の方が綺麗だよ、澄んだ瞳をしているし、それにその長く綺麗な髪‥‥
きっと心も綺麗なんだろうね」


そう言った瞬間、彼女は顔を上げ‥
その澄んだ瞳を少しだけ曇らせた。



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