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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第5章 努力と結果



「話あるんだろ紀永?」


「まあ・・・
これを……」


「??」


堀之内課長から受け取った物を、そのまま専務へ渡す…
内容確認した後、チラリと私の方を向いた。



「1つ…
このKIEIだかな‥‥‥お前か?」


「・・・・・ええ…」


「・・・・・はぁー…」


思いっ切り盛大な溜め息を吐かれたが??



「どうすんだ?
身内が身内に依頼という訳にもいかんだろうに…」


「そうですね……」


元々、この本社のOSを見ていて思い付いた物だが、会長に無償提供してやるのも少々腹が立つものがある。



「プログラムを導入する代わりに・・・私が指定する子会社を1つ頂きましょうか?
金額的には釣り合いが取れていると思いますが‥専務?」


「おいおい…
それを俺が交渉すれと?」


ドカッとソファーに座り渋い顔…
だが、専務の元に来た理由は、身内に甘いのを知っているから。



「私が直接より、専務からの方が波風立たない…
どの道、プログラムを提供する代わりに、子会社を1つ任せてくれと言う話、クラスター社側には何の損も無い」


「そりゃそうだがな、子会社なんか持って何する気だ?」


「何‥か…
今よりマトモなプログラムは出来るかと…
1つ上手く転がせば、後は割と簡単に付いて来る、会長は拡大派でしょう専務?」


ちょっとした賭…


元々、使用契約料で子会社を設立するつもりだったが、本社が乗り出すのなら渡りに船、都合の良い子会社を1つ頂こうという寸法。


言った通りクラスター社側に損は無い、子会社を頂くと言ってもクラスター傘下のまま…
それでプログラムを渡すと言っているのだ、条件的には悪く無い筈。



「確かに拡大派だな…
子会社持って、更に拡大する自信があるのか紀永?」


「無ければこんな事は言わない」


「自信満々か……」


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