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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第8章 仮面と憩い
私が25才になる頃には、クラスターグループの系列の3分の1以上が、私が買収した子会社で占められている状況。
だが、朔夜叔父が言ったような圧力は無く…
会長‥祖父は一体何を考えているのか‥‥私ですら腹の内は読めない。
「・・葉山、これを各社に…」
「畏まりました…」
この頃の私は1社に構う余裕も無くなり、事務所から指示ばかりになってしまっている…
初めの頃のように、社員と一緒には‥もう無理だろう。
流通業に手を出した後、子会社展開はより大きなものになり、フランチャイズというよりネット通販部門に参入。
フランチャイズより大きな個体‥基本になる通販サイトに、あらゆる業種あらゆる会社が、自分達の商品を売ろうと、この通販サイトに登録をする。
こちらは、輸送経路を確実にするだけで済むのが利点…
今や海外にまで拠点を置き、流通の幅は世界規模。
そのしっかりした流通で、登録する企業が後を断たず…
登録料だけでも膨大な収益があり、更に舞い込んでくる企業実態が分かるので、買収関係も楽になるという一石二鳥な仕組み。
そして個人に近いが、この事務所の3階部分全てを、完全なサーバー設備に手直し…
ハードが無ければソフトは成り立たない、今の通販サイトも此処から発信‥‥クラスター本社のサーバーでは過不足と踏んで、サーバー設備だけはしっかりとした物にした。
周到に手堅く…
個人情報を扱うのだ、あのセキュリティーシステムを大分改良し、こまめにアップデートを繰り返している。
勿論、ウイルス系は相変わらず東京で取引…
その度に女と鬱陶しいが、初めの交渉での私のミスだ、そろそろ仕方無いと諦めてしまった。
「社長、本日の分です」
「ああ・・・」
すっかり慣れた葉山とのやり取り、必要な事は言うが、余計な事は言わない葉山を、私は気に入っている。
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