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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第8章 仮面と憩い
「候補リストが、かなり増えたようだが?」
「どうやら下で、ホテル関係の洗い出しをしたようです」
今1階は、事務職ばかりのスペースに変わり、私が持つ子会社の管理関係が主な仕事。
葉山と顧問弁護士の伝手から、確かな能力と信頼出来る人材を厳選し、30名程が1階で仕事をしている。
この事務所は、私に取っては要であり、事業展開には絶対に必要な場所…
だからこそ、人選には異常な程時間を掛けた‥そして女性従業員は1人も居ない。
25才で未婚しかも早乙女直系‥女性関係は極力トラブルを避けたいのが理由…
それでなくとも、この立場になってから表舞台に立つ事が多くなり、五月蝿い女共に嫌気が差しているというのに……
「ホテル関係ね…
流通業が上手くいっている今、それを使ってホテル業界に食い込む‥‥ふむ・・・」
「気が乗りませんか?」
「いや、ホテル業界はグループ化が多い…
その中でどう展開させるかが問題と言ったところか……」
「1グループ丸ごと…
そんな考えも出来ます」
「大きく出たもんだ…
今の資本ならば出来なくも無いが、リスクもかなり高い…
私なら小さなところから始めるね‥今までのように……」
「小さくとも、集まれば大きくですか…」
「ああそうだ…
初めから1グループは、他からの圧力も大きくなる‥
気紛れにホテルを買収したから始め、次第にグループ系より大きくする‥‥これも手腕の1つだと思わないかい?」
「社長の判断にお任せします」
「リストアップはじっくり見るよ…
私もホテル業界は欲しいところだ」
「はい・・」
いい加減、私が買収に動くと周りが過敏に反応する…
だとしたら、気付かれない程度に細かく動けば良い。
その隠れ蓑で大きくして来たんだ、そういう手腕には長けているのもある。
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