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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第2章 現在と過去
もっと早く、美紀の能力を開花させてやる事が出来ていれば…
今頃は日本でも、一線で活躍していたかも知れないのに……
「・・そう思ってもね…」
18年と言う期間があったからこそ、私と美紀は愛おしい者として出逢った。
もしあの頃、祖父の説得に成功していたら?
「・・・
今更‥‥か‥‥‥」
大切な娘を手に入れる代わりに、私は女性を愛するという心を無くしていただろう‥そう、17才の美紀に会う前のように…
何時も置いてある、備え付けのコーヒーメーカーでコーヒーを淹れ、隣の寝室にあるパソコンディスクに座る。
見るのは、美紀から返って来たあのプログラム、本当に此処まで完成度の高い物にするとは…
「何度見ても飽きないね・・・」
これを置いて行ってから、どれくらい目を通したのだろう?
暇があれば此処に座っているとは思う…
我ながらとは思うが、美紀の作ったプログラムと、少々思いに耽る時は、この場所が一番良い。
「後数年早かったら、このプログラムを使っていただろうに…」
社の方には既にキラープログラムは入れてある、ただしこれより遥かに落ちるが…
「・・・・・本当に‥」
私の思いか、美紀の能力か、どちらを取るのが正解だったのか・・・
そう考えても、あの頃の私は祖父に太刀打ち出来なかった…
何度も噛み付き、何度も退けられた祖父‥前早乙女会長・早乙女烈に……
『自分の力でのし上がる事だ…』
祖父の言葉……
私は、この祖父の言葉によって、のし上がる道を選んだ‥誰よりも強くと。
「今更話だ…
だが、たまに思い出すのも悪くない」
まだ、1社員だった頃の私…
既に思い出になって久しいが、たまには思いに耽るのも良いだろう・・・
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