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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第9章 痛手と餓え



歯を食いしばり、襲う餓えと欲求にひたすら耐える・・


媚薬とは、此処まで効果があるものなのか、普通の男なら間違いなく堕ちる‥それくらいに効果は絶大。



(薬の類なのだから、持続時間はある筈・・)


薬の特性から考えて、長時間という事はない…
多分数時間‥その間我慢をすれば良い‥‥まだ耐えられる。


本音を言えば、何時も通りに杉田季永の名を使って、適当に女を誘いヤってしまえば楽だろうが、この状態では外に出る事さえも難しい。



「はぁ‥‥‥」


片腕を額に乗せて、ただ天井を眺めるばかり…
餓えとプライド‥私の場合、少々プライドの方が勝っているよう。


興奮し、いきり勃っているモノを、射精もせずに耐えるのは、ある種拷問にも等しい・・



「・・・・・」


何時間この状態で耐えたのだろか?


時間の感覚すらも曖昧になる程、耐えるに耐え、漸く収まり出した頃に、多大な疲労感と共に眠りに落ちてしまった・・・流石にこれは懲りたと、頭の隅で思いながら・・・・・






"ピピピ‥‥ピピピ‥‥ピピピ‥‥"


???


携帯の着信音??



"ピピピ‥‥ピピピ‥ピピピ‥"


一度切れてまた・・・



「・・・・・・・」


うっすらと目が開く…
確か‥‥携帯‥‥


とんでもなく怠い身体を無理やり起こし、昨晩脱ぎ捨てたジャケットの中から携帯を取り出した。



「・・・
葉山か、それに朔夜叔父まで・・・」


携帯のディスプレイの時計を見れば、午前11時…
完全に疲れ切って、眠っていた‥らしい。


先ず優先なのは葉山、朝連絡すると言ってそのままだ。



『・・・社長!?』


「ああ‥すまんね…」


『やはり昨日何か…』


「無い事に痛い思いをした‥そんな感じだ…
仕事で重要な要件は?」


『今日は‥昼間に昼食を兼ねての打ち合わせが1件だけです』


「重要性は?」


『あまり高く無いと…』

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