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青い残り火
第8章 第8章
あなた
あの日のあなたが
俺の頭から消えない
すぐそこにいるのに
手を伸ばせば届くのに
それを許さないあなたが
歯がゆくて愛しい
俺に気付かないあなたが
歯がゆくて愛しい
千紗と桃香は、わくわくした顔で芽衣の反応を待った。
「……これ、ホントに一馬が作った詩なの?」
二人を交互に見る芽衣の表情には、嬉しさの欠片も見当たらない。
「学園一二を争うモテ男の恋する気持ちだよ。ようするに、芽衣が大切だから簡単には手が出せない。切ない俺の気持ちなんか知らないだろ、わかってくれ、愛してる。って事でしょ。あの日のあなたって、ほら、キスした日のことじゃない?」
「あ……、やだそういうことかぁ」
千紗の解釈がどこか腑に落ちなかった芽衣は、それでも大袈裟に納得して見せた。
「もぉー。みんな感動しちゃって芽衣のこと羨ましがってたんだから。ねぇ千紗」
「うん、クールに見える一馬が芽衣だけには熱い想いを募らせてるなんてね」
あの日のあなたが
俺の頭から消えない
すぐそこにいるのに
手を伸ばせば届くのに
それを許さないあなたが
歯がゆくて愛しい
俺に気付かないあなたが
歯がゆくて愛しい
千紗と桃香は、わくわくした顔で芽衣の反応を待った。
「……これ、ホントに一馬が作った詩なの?」
二人を交互に見る芽衣の表情には、嬉しさの欠片も見当たらない。
「学園一二を争うモテ男の恋する気持ちだよ。ようするに、芽衣が大切だから簡単には手が出せない。切ない俺の気持ちなんか知らないだろ、わかってくれ、愛してる。って事でしょ。あの日のあなたって、ほら、キスした日のことじゃない?」
「あ……、やだそういうことかぁ」
千紗の解釈がどこか腑に落ちなかった芽衣は、それでも大袈裟に納得して見せた。
「もぉー。みんな感動しちゃって芽衣のこと羨ましがってたんだから。ねぇ千紗」
「うん、クールに見える一馬が芽衣だけには熱い想いを募らせてるなんてね」