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青い残り火
第8章 第8章
買ったばかりの白のチュールスカート、袖なしの白黒ボーダーシャツ、ウェッジソールのサンダル。夏らしい装いでやって来た芽衣に、一馬は目を丸くして「似合うよ」と言った。
お化粧もしている自分を、沢山の言葉で褒めて欲しいと期待した芽衣だったが、目をそらせてどぎまぎしている一馬の照れを読み取り、心の中でどうにか折り合いをつけた。

「あの、俺……」

「なに?」

黙りこくっていた一馬の真面目な顔に、芽衣は一瞬何かを期待して前に乗り出した。

「……じつは、いろいろと忙しくて、まだ小論文書いてないんだよな」

「あ、……そう、一馬は文学部だっけ」

「うん、教育学専攻。だから今はその……」

内部推薦に必要な小論文は、その内容云々より形式的な意味合いが強かった。芽衣はすでに完成間近だったが、目の前にいる一馬の様子から、デートより論文を優先させたがっているのがわかる。

「やっぱ教師目指すの?」

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