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青い残り火
第8章 第8章
「……え?」

「私、みんなに羨ましがられたみたい」

芽衣は一馬の手からメモ用紙を取り戻し、その文面をしみじみと見つめた。

「そ、そんなつもりじゃ……」

「うん、聞いた聞いた。みんなの前で発表するなんて、誰も知らなかったんだってね」

だからこその本心だよねと、芽衣は心で言った。離れた席の女性がちらちらとこちらを伺っている。

「ごめん、声が大きいよね、ふふっ」

「あ、うん……いや」

慌ててパフェに集中する一馬を微笑ましく思い、芽衣はこれまでにない幸福感に包まれた。

焦ってる一馬ってかわいい
大学生になっても
その先も
彼とならうまくやっていけそう

ポケットから携帯を取り出した一馬が残念そうに芽衣を見た。

「なんだ、バイト先からだ。
……ん? 急に20名の予約が入ったから仕込みの手伝い頼むだって。……ごめん芽衣、俺行かなきゃ」

「……そっかぁ、しょうがないね。一馬って頼りにされてるんだ」


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